2010年09月28日

戦争






ランク
1位

俺は、君のためにこそ死ににいく [DVD]

岸惠子 , 徳重聡 , 窪塚洋介 , 筒井道隆 , 多部未華子 ,

レビュー数
61
レビュー平均得点
3.5

○ 作戦ではなくこれは狂気
レビュー内容: 勇ましく散った彼らに対する敬意と共に私は誇りさえ感じますが、

特別攻撃隊とはやはり作戦なんかではなく、劣勢に立たされた日本が、

一億玉砕という狂気の内に発した、大本営の破れかぶれな犯罪にも近い

愚行であるとしか思えません。

「死ぬ覚悟で出撃すること」と「死ぬために出撃すること」の間には

とても大きな隔たりがあるのです。



しかし、こうした映画は「日本は愚かだった」と伝える部分と「戦地で戦った

兵士は皆誇り高く勇敢だった」と伝える部分がとても難しそうですね。

そういう意味ではうまくやった方ではないでしょうか。

「兵士は様々な葛藤あれど勇敢だったが、いかんせん大本営が阿呆の狂気だった。」



製作としては、トメさんを演じる岸恵子さんに不満はありませんが、やや石原氏の

「都合」が邪魔をしているように感じました。

よく出来ている映画だと思うので、是非観ていただきたいと思いますし、

後世にも視聴のチャンスを残していってほしいと思います。



特別攻撃隊の戦果、実際は初めて特攻した敷島隊以外はほとんどが、

敵艦に体当たりする前に撃墜されてしまっていた。それを知りながらも大本営は

二千数百名の若者に特攻をさせた。

これにつて全く触れられていなかったので、個人的希望からの減点で☆4つ。

○ 映像の美しさに
レビュー内容: この映画は全体的に良かったと思います。
特攻が存在した事実が忠実に描かれています。
物語のテンポも良く岸さん演じるトメさんは生前の姿が伝わってくるようでした。
そして私が感動したのが映像の美しさ。
全ての場面が美しい!背景がきれいだしアングルが上手い!!
敵艦に突っ込むシーンは息をのむ迫力でした。敵艦の空中弾がいっせいに爆発する所は映画であることを忘れさせるよう!!素晴らしい。

ただ…特攻隊員たちが楽しそう。
死に逝く緊張感が伝わってこないんです。
惜しい。なんてもったいない!!!

○ 制作陣の頭を疑う
レビュー内容: これは特攻と戦争の悲惨さよりも、日本は正義の戦争をして負けたんだ!!という右系効果がミエミエ。



今は亡きおじいちゃんやおばあちゃんから戦争の話を聞いたという人の話によれば、こんな映画みたいなのは有り得なかったとか。



大東亜戦争(つーか、自分達の無責任で起こした戦争全て)が未だに正しいと思う人しか楽しめません。

○ 未来へ受け継いでいきたい作品
レビュー内容: 涙がとまらなかった。
自分はまだ結婚もしていないけど、子や孫ができた時に、伝えたいものがこの中にあると思う。
一生懸命に生きて、僕らのために特攻していった人達がいる。
この事を日本人は忘れたらいけない。

○ 最悪の作戦だとわかっていても、やらねばならぬ時がある。
レビュー内容: いわゆる「神風特攻隊」を取り上げた作品。



まず最初に書いておきたいのは、

軍事作戦としての特攻(自爆攻撃)は「最低最悪の作戦」だと言うこと。



これは昭和天皇や今上陛下(当時の皇太子殿下)も

はっきりと表明されている。

指揮官や実働部隊も同じことを考えていて、

本作品の最初と最後に描かれている。



そこまでをしっかりと理解した上で

「全てを理解した上で、それでもなおやらねばならぬ時がある。」

と覚悟を決めた人たちの思いを理解したい。



本作品は、上記全てをしっかりと描ききっている。

時に残酷に、時に美しく。



目を背けるのは辞めよう。

僕たちは彼らが見た未来を生きているのだから。







ランク
2位

日本のいちばん長い日 [DVD]

三船敏郎 , 加山雄三 , 黒沢年男 , 小林桂樹 , 宮口精二 ,

レビュー数
34
レビュー平均得点
4.5

○ 迫真の演技
レビュー内容: 阿南陸相役の三船敏郎は当然だが畑中少佐役の黒沢年男や古賀少佐役の佐藤充も大汗をかいての熱演でした。当時はエアコンなんか無かったから終戦の詔勅の文書作成のための閣議もあんな密室で文官はスーツ、武官は暑そうな軍装で見ているほうが暑そうだ、たまらんなと思いました。個人的には畑中少佐や井田中佐の言い分にも一理あると思いましたね。「最後の一兵まで戦わずにここで戦いを止めてはこれまで死んでいった将兵を欺くことになる」というのはそうだろうな。

○ 戦争で亡くなった方たちへ胸を張れるような日本人に自分たちはなれたのでしょうか。
レビュー内容: 時間とお金をたっぷりとかけた歴史的超大作です。岡本喜八監督の代表作です。キャスティングもベストです。登場する俳優は東宝オールキャストの豪華版で、一人一人が大俳優、名俳優ばかりです。黒沢映画に出演している人もほとんど出ています。橋本忍氏の脚本もすばらしい。



物語は大きく分けて前編後編に別れています。前編は連合国からのポツダム宣言から、それを受諾するまでの内閣と陸軍内での葛藤。後半はポツダム宣言受諾後、玉音放送をめぐる8月14から15日にかけての陸軍若手参謀たちの反乱です。一億総本土決戦と絶対にあきらめません。登場人物、関係者の全てが実名です。



陸軍大臣を演じる三船敏郎は、まるで本物の阿南陸相ようで、ものすごい迫力です。青年将校役を演じる黒沢年男も迫力ある熱血演技です。戦争続行に向け、泣いたり喚いたり、脅したり口説いたりと、最初から最後まであちこち駆け回り、純粋な軍人を演じ切っています。この役は、まさにこの時の黒沢年男にしか演じることができなかったでしょう。その相棒として中丸忠雄は冷静沈着に彼をサポートしています。鈴木貫太首相郎演じる笠智衆は、いつもひょうひょうとしていますが、閣議では阿南陸相の主張をさえぎり、自ら終戦の決定をする強い意志も見せます。ここはすばらしい名演です。これで日本のポツダム宣言受諾、つまり無条件降伏が決まりました。



若手将校を前に切腹にのぞむ阿南陸相は、この映画のクライマックスです。この先日本はどうなるかわからないが日本は大丈夫だ、君たち若い人たちが新しい日本を作っていきなさいと、世辞の言葉を残して切腹します。この言葉のように、戦争で亡くなった方たちへ胸を張れるような日本人に、今の自分たちはなれたのでしょうか。



最後に、DVD保存版としては切腹シーンのパッケージが不気味で、まるでホラー映画のようです。映画の中身を知らない人、特に若い人はこの絵だけで引いてしまいそうです。せっかくの歴史的超大作がパッケージで観てくれないのでは台無しです。ここは「日本のいちばん長い日」という題字だけでいいのではないでしょうか。この映画を末永く後世に残すものとしてパッケージの改版を望みます。

○ ♪若い血潮の予科練の〜♪
レビュー内容: ポツダム宣言受諾決定から玉音放送までの24時間

自分の為ではなく、日本という国のことを自分自身の頭で真剣に考え、悩み、そして、行動した男たちの物語です。

ポツダム宣言受諾決定を知らず、8月15日午前零時、ゼロ戦で飛び立つ特攻隊たちを、日の丸を振って送り出す地元住民たちの♪若鷲の歌♪が耳に残ります。



若い血潮の予科練の

七つ釦(ぼたん)は桜に錨

今日も飛ぶ飛ぶ霞ヶ浦にゃ

でかい希望の雲が湧く



命惜しまぬ予科練の

意気の翼は勝利の翼

見事轟沈した敵艦を

母へ写真で送りたい

    (作詞 西条八十)




○ 『ヒトラー最期の12日間』と比較すると興味深い
レビュー内容: この映画は何度も観ている。

実際のできごとを題材にした映画は、事実を淡々と描写すれば、

くりかえし観るに値する作品になるといういい例だからだ。

先日『ヒトラー最期の12日間』を観た。

おなじ最後の日をあつかっていながら、その内容のちがいにおどろいた。

『ヒトラー最期の12日間』は、ひたすら頽廃と絶望を描いている。

『日本のいちばん長い日』は、ひたすら敗戦までの手続きを描いている。

これは『ヒトラー最期の12日間』を観て、はじめて気がついたことだ。

原作がそうだからと言えばそれまでだが、このちがいは興味深い。

観るたびに想像をあそばせることのできる映画が好きである。

後年、おなじ原作で8月15日を描いた『歴史の涙』というTBSのテレビドラマは

駄作だった。何人も女優がでてきて、泣いたりわめいたりするからだ。

こういう作品には、想像をあそばせる余地はない。


○ 終わらせることの難しさ
レビュー内容:  8月15日に玉音放送が流れるまでの24時間を追った、緊張感みなぎる傑作。監督・岡本喜八、脚本・橋本忍。そして男汁だくだくだの豪華俳優陣――長尺でも安定感が段違いだ。



 当時首相の鈴木貫太郎(笠智衆)、本土徹底抗戦を訴える陸軍大臣阿南(三船敏郎)、そして国体護持のためにクーデターを画策する青年将校(黒沢年男)、そして昭和天皇――それぞれがそれぞれの立場で国を想い過ぎるがゆえに、意見は平行線を辿り続け、その間にも下界では被害が苛烈さを増してゆく……。



 特に強烈なインパクトを残すのが、ひたすら肩周りにびっしりと汗を染み込ませながら皇居周辺を行き来する青年将校たち。彼らの国を想う気持ちは純粋そのものなんだろうけど、純粋過ぎるゆえにその近視眼っぷりは見るに堪えない。天皇を守ることが任務の近衛兵たちが、玉音放送を阻止するために、宮内庁に銃を向けるのだ――とんでもない妄執だ。結局彼らにとって天皇は絶対であり、絶対ではなかった。よく、戦況が悪化しないうちにどうして戦争を終わらせなかったのか、という声は多い。自分もそう思う。けれども、時の為政者たちは終わらせることの難しさを誰もが知っていた。そして事実、終わらせることはとんでもなく難しかった。これを見るとそう思わざるを得ない。玉音放送によって戦争がすんなり終わったと勘違いしていた自分のような人間に、是非見て欲しい激動の昭和史。







ランク
3位

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

反町隆史 , 中村獅童 , 鈴木京香 , 松山ケンイチ , 渡辺大 ,

レビュー数
143
レビュー平均得点
3.5

○ 生き様
レビュー内容: 公開から約5年経った今、思い立って見ることにしました。 わずか15歳で死に直面し儚くも散って行った人々、そして、生き残り死んでいった人々の思いを背負って生きていく姿を通し、改めて生きることの意味を思い知らされました。 こういう時代に生きてきた人がいるからこそ平和な現在があり、自殺や命を粗末にする人が多い今命の大切さを感じました。 話の中で長嶋一茂(役名は不明)が言っていた、 「死ぬのも覚悟、生きるのも覚悟。覚悟するということはとても重いことだ。」 一番印象に残った言葉です。 美化するつもりはありませんが、甘えて生きていた自分にとって非常に感銘を受けました。

○ 所詮は人間ドラマ
レビュー内容: 男たちの友情や生き様等で感動したい人にはお勧めです。

無理やり感動させようとする場面が多々ありますが、お涙頂戴物としては良いと思います。

ただ戦争映画として考えると残念な出来と感じるを得ません。

かの有名なプライベート・ライアンでは、自分が本当にそこにいるような臨場感があり、

戦闘の悲惨さを淡々と流して、見ている人に何を感じてもらうかを委ねる雰囲気があります。

しかし、この作品はそのようなものは無く、事実を捻じ曲げてまで見ている人に「ああ感じてほしい」「こう感じてほしい」という押しつけ感を終始感じさせます。

もう戦争映画なのか男の武勇伝話なのか分らなくなりました。

○ 沖縄の海を見ると思い出す
レビュー内容: 1回目は劇場で観ました。

終戦記念日が近づいてきたので、もう一度DVDで観てみました。

やはり素晴らしい映画だと思います。

この映画に出てくるような、若い10代の人達にこそ、観てほしいと思います。



同じ特攻を題材にした映画で比べると、「俺は君のためにこそ死ににいく」よりも、

こちらの方が戦闘シーンが多いです。というより、「俺は…」はラストまで戦闘シーンは無い。上官による体罰のシーンなどもリアルで、途中、目を伏せたくなることも多いです。

それでも、現実はもしかしたらもっとひどかったんじゃないだろうか…と思うと、

辛いけれど、同じ日本人として、目をそらさないで見なくては…と思いました。



家族や恋人と、乗組員達が最後に会うシーンは、涙が止まりませんでした。

言葉では言えない、感謝の想いだったり、悲しみだったり、乗組員たちは、これで最後とは誰も言わないのに、愛する人たちはそれぞれにそれを悟り、言葉や、眼差しや、表情でいろんな気持ちを語っていて、みなさんすごく良い演技をされてました。

もう、本当に痛いほど気持ちが伝わってきます。



そして、神尾さんが同期の子の実家へ行き、田植えを手伝うシーン…

神尾さんの気持ちも、お母さんの気持ちも、すごく理解出来るので、誰が悪いわけではないんだけれども、苦しかった…。



あんなに若い乗組員たちが、「死に方用意」などと海に向かって家族に最後の想いを叫ばなくてはならなかった歴史が憎いです。

年若い人達を大勢、特攻作戦なんていう非道な作戦に使っておきながら、自分達はのうのうと生きていた「お偉い」人達も憎いです。



日本人は絶対に忘れてはならない歴史だと思います。

○ 何これ?
レビュー内容: レビューを書くにも値しない作品である。

思い出すだけで腹が立つ。

○ 何度も見ると粗が目立つ
レビュー内容: 気になった点を書いていきます。

多いにネタバレです。



最初ですが、内田さんの娘が、「北緯30度22分 東経128度04分」に連れて行ってくれと何度も懇願するシーンがあります。

一度ならいいのですが、何度も何度もこの台詞です。率直に「大和が沈んだ場所」と言ったほうが違和感はありません。



次に、若い水平が大和に乗艦する為に、ボートで大和に近づくシーンがあります。その時にとある水平が、「おい、大和や!」と叫びました。

そこまで近づかないと分からないのですか?かなり巨大な戦艦の筈なのですが。



次に山本五十六が死んで、そのニュースを映画館で放映するという変わったシーンがありました。

その時の、実写映像の周りのCGが陳腐。これは酷い。



更に神尾の母とあの小娘は、機銃掃射されている中を何をしていたのか。死にたいのなら別ですが。



反町が演じていた兵士は何者なんですか?炊事長かと思いきや戦闘にも参加してますし、しかも一人だけ髪が長いのが不自然です。

最後の行動は最早意味不明です。



戦闘シーンはかなり酷い。カメラに水滴がついています。臨場感は皆無です。戦闘機もなんだかなぁ・・・



この映画のキーともなっている、内田さんの短刀は、原作では行方不明になっていたと思いますが。



切腹した兵士の刀が柔らかすぎます。もっと上手く撮れと・・・



もっと変なところは沢山ありました。役者さんはもっとナチュラルな広島弁を練習してください。





まぁこのような粗は、大した問題ではありません。

ストーリー自体はお涙頂戴な展開があまりにも多く、涙どころか逆にイライラしました。

準主役級の兵士が多すぎたせいだと思います。







特別版では「名も無き兵士への鎮魂歌」というショートムービーが入っていました。

「名も無き」って何ですか?死者に対する冒涜としか思えません。





この映画、結局のところ、賞は1つも取れなかったと聞いています。

ま、当然でしょうね。







ランク
4位

真夏のオリオン [DVD]

玉木宏 , 北川景子 , 堂珍嘉邦 , 平岡祐太 , 吉田栄作 ,

レビュー数
30
レビュー平均得点
3.5

○ 色々な評価があるとは思いますが、映画としては楽しめました
レビュー内容: 映画は観てのとおり。コテコテの反戦映画という訳ではなく、登場人物も状況設定の割には身綺麗過ぎるような気もしたが、憎むべき戦争の悲惨さは十分に伝わり、映画の面白さも堪能できた。作品のラスト、両船の邂逅シーンと主人公たちの再会のシーンは観ていて思わず胸が熱くなった。



それにしても、映画の冒頭で鈴木瑞穂演ずる旧乗組員を北川景子が訪れる際の凛とした美しさは素晴らしかった。

○ 子供も一緒にみられる(少し補足)
レビュー内容: 様々なご意見があるようですが、小さい子供と一緒でも大丈夫な内容だったと思います。 私は実は玉木ファンだから見ていたのですが、息子達が途中から加わったために、「戦争がかっこいいと思われたらいかん!!」と、実際はどんな時代だったか、とかいかに戦争が悲惨だったか(潜水艦の恐怖など)等々、その都度補足しました。 戦争映画をみる大人の方は、戦争の悲惨さや不条理さ等を書籍や映像などで知り得ていると思うので、その映画ごとに、視聴者への強いメッセージが一つあればいいのではないでしょうか。回転の乗員を諭した艦長の言葉は、現代にもつながるものがありますし。私はこの言葉で星五つです。
個人的には昭和に作られた作品(テレビ用も含め)はより強く悲惨さや、遠く離れた日本の安全な場所にこもって指示を出すお偉いさんへの怒りなんかがよく描かれていたとは思いますけど。ちなみに、テレビや映画の反響は大きいらしく、悲惨すぎる内容だったりすると自衛隊の入隊減とかに影響するよーなことをチラッと聞いたことがあるので、やはり映画を作る上で、いろんなかねあいがあるんだろうなと思います。かといって戦争美化は監督の本意ではないだろうし。難しいですね。

○ 戦争美談かな?
レビュー内容:  「戦争って、感動的なもの?」・・と、思われるような内容ですね。わかりやすくいえば、戦争に伴う死や悲しみ、残虐性というものは余り出さず、美談として戦争を描いているような感じがします。

 作者のテーマを尊重すると、コンパクトにまとまった映画ですが、残虐な戦争映画を見てきた人や当時戦争を生き抜いてきた世代からすると、艦長の優しい言葉使いだけを取り上げても、やや物足りないと思われる方も多いのでは・・?きっと、物語にはモデルがあったんでしょうね。


○ 「雷撃深度一九・五」の映画化と思わない方がいい
レビュー内容: この映画の原作とされている「雷撃深度一九・五」も史実に基づいたフィクションですが、この映画はその原作を部分的に参考にしている程度の別物です。



「雷撃深度一九・五」を先に読み、その映画化を期待した私には、この映画はストーリーが軽薄に感じられてしまい、「え!?終わっちゃったの!?」という感じのエンディングでした。



「原作とは全く別の映画」という観点で見れば、それなりにストーリーが構成されており、星3つ程度は与えて良いのではないかと思います。



原作を読むことを推薦するとともに、原作に忠実、若しくは原作を超える映画をもう一度撮って欲しいと願ってやみません。



今の時代に第二次大戦を題材にした映画を作ろうという姿勢には拍手を送りたいと思いますが。

○ 8月15日に思うこと
レビュー内容:  「映画館で見たけど、DVDが出たまたみたいな」と思っていたのをレンタルビデオ屋で思い出し、借りた。

 別に計ったわけではないのだが、借りたのが8月13日で、見たのが8月15日、今年で65回目を迎える『終戦記念日』だった。

 

 劇場で見たときもいろいろと考えさせられたが、8月15日に見るとやはり違った見方になってくる。



 そんなにこの種の映画は多く見ているわけではないのだが、他の戦争を描いた作品とは少し違ったとらえ方をしていると、観終わったあとそう感じた。



 戦争を描いた作品というのは、「散り際の美学」を前面にだしたものが多いというイメージを持っている。

 しかし、本作はその傾向がほとんどなく、現に死者もほとんど出なかった。

 本作は「生きることの大切さ」を伝えたかったのではないだろうか。



 それを感じさせられたのが、「回天」に単独で乗り込もうとした部下に対して、倉元艦長が言った言葉だ。



 「いいか、俺たちは死ぬために戦っているんじゃない。

  生きるために戦ってるんだ。

  人間は兵器じゃない。たったひとつの命だ。

  もったいない・・・」



 戦争が終わって65年、日本は戦争のない平和な国のように一見見える。

 しかし、交通事故の死者よりも自殺者のほうが多いという事実もある。

 それを戦争で亡くなった方が見たら何と思うだろう。



 怒り震えるかもしれない、涙が枯れるほど悲しむかもしれない。



 現代に生きる私たちは、そう思われないように戦わなければいけない。

 「たったひとつ」の命なのだから・・・。



 



 



 



 







ランク
5位

ビルマの竪琴 [DVD]

中井貴一 , 石坂浩二 , 川谷拓三 , 渡辺篤 , 小林稔侍 ,

レビュー数
14
レビュー平均得点
4.5

○ 切ない、なのに心暖まる
レビュー内容: 戦争映画の多くは悲しいものや、人間の非道な部分も描かれていますが、この映画の特徴は、登場人物のほとんどが優しくて純粋な人ということです。

日本兵に終戦を伝えるために、英国兵とインド兵が肩を組んで歌を歌い、日本兵もそれに続いて大合唱になるシーンなど特にそう思います。

一人ひとりの優しさ、純真な思いが時に切なく、時に暖かいです。

ビルマ独特の仏教の建物、現地の人々、そして歌にも見所があります。「埴生の宿」は特に心に残りました

○ 言葉がなくともこれほど思いが伝わるものなのか
レビュー内容: 見てしまった、知ってしまったものは無視できない。

何も出来ない無力をかみ締めていたけれども、弔うことだけは出来ると考えてしまったから、帰還の望みも振り払う。

そのような思いが、水島上等兵の足を引き返させたのでしょうか。また彼が隊員との友情から何度も迷っていたことが、逆に思いの強さを物語っていたようです。

最後まで水島上等兵の考えはほとんど語られなくても、その思いが音楽や演技から伝わってきたような気がしました。

子供のころにこの作品を見ていなかったことが、少し悔しいです。とても綺麗で、感動しました。

○ いいですね
レビュー内容: 昔見たことはありましたが(子供の頃)、時代が変わっても

色あせることはなく感動しました。


○ 昔の映画とは思えない
レビュー内容: この映画は、私が小学生の頃見ました。その時、あまりのお互いの思いやりの強さに感動しました。

私が覚えている場面は、ルビーが土の中から出てきて、現地の人から魂だと言われ、涙を流して決心すれシーン。私も小さいながら涙しました。どうしても見てみたいと思って、買ってしまいました。

昔と変わらず映像が綺麗で見やすいです。是非、買うことをオススメします。
俳優さん達が若いですよね。

○ 美しい歌声
レビュー内容: 歌声の美しさは、出色。

対比される戦争のバカバカしさが静かに強く印象付けられる。



石坂浩二、中井貴一、他、好演が光る。



惜しむらくは。

水島上等兵が、何故。

ビルマに一人、残留する理由が。

どうも、釈然としない事。








ランク
6位

激動の昭和史 沖縄決戦 [DVD]

小林桂樹 , 丹波哲郎 , 仲代達矢 , 森幹太 , 睦五郎 ,

レビュー数
14
レビュー平均得点
5.0

○ 当時の思想や雰囲気を伝えている
レビュー内容: 沖縄戦での悲劇を描いた作品は多い。またそのような作品はその悲劇さ、残酷さを強烈に打ち出し、二度と戦争を繰り返さないという教訓めいたものもも多いと思う。また視聴者としてもどこかでそのような(悪い意味でなく)欲求があるのではないか。その意味で考えると戦争ドラマというものも、「悲劇のドラマ」という一種のジャンルになり、エンターテイメント化されつつあるものかもしれない。



この作品は当時の考えや悲劇をごく当たり前として描かれており、戦争という馬鹿げたことを訴えるだけでなく、当時の思想や状況が「戦争というものが当たり前のことで、人ひとりの命は国存亡のためにある」という状況を忠実に伝えてきている。その中で一人ひとりのキャラクターが戦争と国への疑心を言葉ではなく、演技や表現であらわしている部分が素晴らしい。



本作品は右・左という思想ではなく、戦争の必然性や矛盾、またその状況下におかれた人間たちの「自分たちの人生活路はどこにあるのか」という視点で描かれた作品。


○ 公開当時観ました
レビュー内容: 九年前にビデオテープがダメになって以来観ていませんが、この映画は必見です。

公開当時は中学生でしたが、生き延びろろと命じられ狂気を眼に焼き付けていく八原参謀と、ラストシーンの子供が印象的。

世代の違う二人が戦後の日本を作ったのだと感じました。

日本映画嫌いの私ですが、この作品は映画としての役割(どの時代でも受け入れやすく)を考えて限界まで頑張った傑作だと思います。

○ 仲代演じる八原高級参謀の視線を追え
レビュー内容: あらためて見て思います。傑作です。

子供時代、おそらく生まれて初めて映画館で見た

(見につれていってもらった)戦争映画でした。

そうか、脚本は新藤兼人だったのかというのが正直な感想でもあります。



子供の時は、長参謀長役の丹波と、八原高級参謀役の仲代のカッコよさばかり、

目に付きましたが、いま見ると、やはり牛島司令官役の小林桂樹がすごい。

どちらかというと、市井の善人役やコミカルな役どころが多いイメージだが、

この作品では、すさまじい迫力。武人の覚悟、かくのごとき、か。



まったくアプローチは違うけれども、イーストウッド「硫黄島からの手紙」で

栗林司令官を演じた渡辺謙より、遥かに「日本陸軍の司令官」っぽい。

いろいろな意味で。

もっとも、存命した(してしまった?)八原参謀を演じた仲代の最後の

彷徨のシーンこそ、監督や脚本の最大のメッセージなのでしょうね。



それと、脇で、なつかしい名優がいっぱい出てるのが嬉しい。

同じ岡本喜八監督の傑作「日本のいちばん長い日」にも出ていた、

中谷一郎、高橋悦史、井川比佐志、天本英世(!)……(涙)



中でも個人的には、航空参謀役の川津祐介。

たしか当時のパンフレットには、健在だった源田実(元海軍航空参謀)

との2ショットが掲載されていたはず。

それから、軍医役の岸田森。

川津の士官役はともかく、岸田の医師役というのは、すごいキャスティング。

これも今になってわかるけれど、当時、熱い視線で見つめたファンも多かったのでは。



70年代前半の日本映画の(製作も配役も)底力を知る一本。


○ 沖縄県民斯ク戦ヘリ
レビュー内容: アジア・太平洋戦争の末期、日本国内で最大の地上戦の舞台となった沖縄。本作は、沖縄の防衛を担当した第32軍を中心に、軍・官・民をあげて徹底抗戦をした沖縄戦の実相を忠実に描き上げている。



大本営と現地軍の意思疎通は思うようにいかず、第32軍の作戦指導も沖縄県民のことを顧みるものではなかった。また第26代沖縄県知事の泉守紀も「すぐ帰ってきますから」と言いながら本土へ逃亡してしまう。



しかし、その後任の島田叡が命を賭して沖縄県民のために働く姿は涙ぐましいものがあった。また大田実少将が、その島田知事に代わって打電した「沖縄県民斯ク戦ヘリ」の電文も引用され、沖縄県民の激闘についてもよく描かれている。



とりわけ、現在も我々は沖縄に米軍基地の負担を強い続け、島田や大田の「県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という願いに応えられていないように思う。この歴史を忘れることなく、我々も沖縄のことを真剣に考えていかなければいけないだろう。



なお、沖縄戦に関する2人の県知事について興味を持たれた方には、野里洋『汚名―第二十六代沖縄県知事 泉守紀』(講談社、1993年)と田村洋三『沖縄の島守―内務官僚かく戦えり』(中央公論新社、2003年)をオススメしておく。

○ 日本戦争映画の傑作
レビュー内容: 海軍を描いた映画は数多いが、陸軍のそれも血生臭い地上戦をメインに据えた映画は少ない。その中で、この作品は圧倒的な迫力で観る者の琴線に触れる点では「硫黄島からの手紙」といい勝負だろう。私的には日本戦争映画の最高傑作だと思っている。軍目線でストーリーが展開すること、地上戦に入るとストーリー自体が破綻しつつ最後は滅茶苦茶になって登場人物のほとんどが死に向かって憑かれたように突き進む様は太平洋戦争での帝国陸海軍の姿そのままで、変にリアルな点も興味深い。演出も荒っぽいところも多いが、全体の迫力はそれを補って余りある。当時の軍が、膨大な民間人の犠牲を出しても沖縄を捨て駒とみなしていたのが本当なら(たぶん本当なのだろう)、軍部にとって当時の日本という国は軍のために存在するものであったわけで、昨今の政治を見れば、今の霞が関も同じ体質なのだということに気が付く。結局、根本的なところで日本という国の体質は変わっていないということなのだろう。決して楽しめる映画ではないが、沖縄の現在を理解するためにも是非見ておいたほうが良い作品だ。



ランク
7位

連合艦隊<劇場公開版> [DVD]

小林桂樹 , 永島敏行 , 古手川祐子 , 鶴田浩二 ,

レビュー数
1
レビュー平均得点
4.0

○ なつかしい!
レビュー内容: もうだいぶ以前にテレビで見た内容ですが、あの頃と全く同じ感動を味わえる作品ですので、戦争モノの邦画が好きな方にはお奨めできる作品です。



昔の作品ではあり、演出も幼稚な部分もありますが、今見ても内容はすばらしいです。



戦争のドンパチシーンだけでなく、軍人の苦悩や家族の愛情などが含まれており、見てて飽きません。



また中井貴一をはじめ、当時の俳優もその頃は本当に若いなぁって心底痛感しました。



始めてみる方にも、昔見た方にも買う価値大の作品ですが、もう少し安くなってくれればありがたいんですけどね。







ランク
8位

加藤隼戦闘隊 [DVD]

大河内傳次郎 , 藤田進 , 灰田勝彦 , 黒川弥太郎 ,

レビュー数
10
レビュー平均得点
4.5

○ 軍神・加藤建夫の最期を描く。航空機映画は海軍だけじゃない。
レビュー内容: 本作は昭和19年の3月に公開され、同年のNo.1ヒットを記録した作品だ。軍都・旭川に行くと加藤建夫の展示品が多く見られるが、それもそのはず、加藤は旭川の出身で、当地は未だに陸軍の遺した建物が点在しており、全国でも一番「軍都」の面影を残しているところだ。興味のある方はぜひ訪れて欲しい。陸軍省としては映画の加藤を「神」としたかったのだろうが、山本嘉次郎はあえて「人間」として描いた。よって今観ても違和感のない仕上がりなのだと思う。豪放磊落でカメラ好きという面もきちんと採り入れ、うっかり英語を口にしてしまうエピソードまで映像化されている。陸軍は戦後、もっぱら「鬼の憲兵」「海軍に比べて暗い」「閉鎖的」と悪口を言われるが、本作や木下組の大問題作「陸軍」を検閲で通してしまうセンスは、ある意味で凄い(笑)。国全体の暴走は十分非難されるべきものだが、現代の認識では海軍のムチャが敗戦の糸口になっているし、また関東軍が頑張らなければ今ごろ北海道はロシア領だ。我々もそろそろ正面から歴史を見据えなければいけないね。それにしても「隼」のカッコいいこと!海軍の三菱製・ゼロ戦と陸軍の中島製(現スバル)・隼は、やはり世界に誇る名機だと思う。これをハリウッド帰りの撮影監督・ハリー三村が豪快に撮り上げており、ドッグファイトも凄い迫力だ。特典映像を観ると、敵機も英軍から奪った「ホンモノ」を使用しているとのことで、そりゃ迫力も出るわけだ!加藤役の藤田進は当時の東宝のエースでもあり、黒澤の「姿三四郎」でも主役を張っていた。基地にクリスマスツリーやリースが飾られていたりと、昭和19年なのにかなりお茶目な映像も素敵だ(笑)。映画はもちろん軍神の死で終わるが、大東亜戦争もいよいよ終末に向かう時期であり、そんなことを考えて観ると違う見方が出来るだろう。星は4つです。

○ 加藤隼戦闘隊は心躍らせる名作でした
レビュー内容: 昭和16年ごろを背景とした昭和19年公開の映画であるが、日本映画のレベルの高さを教えられた。

軍隊趣味はあまりないが、戦闘機の戦闘シーンや特攻には感動を覚える者で、何の予備知識もないままこのDVDを手にした。

東映映画のヤクザのような軍人たちと違って、すがすがしい役者たちばかりで戦前の日本人を誇りに思えた。

何よりすごいのが、戦後の映画と違って、本物の戦闘機が登場し、技をお披露目していることだ。

現在もアメリカではプロペラ機の競技があり、テレビで垣間見たことがあるが、違う! 戦闘機ならではの精神的な緊張が心地よく伝わってくる。見てよかった! ゼロ戦の影に隠れてしまいがちだが隼にも注目したくなった。

○ ビデオ版より長い
レビュー内容: 限られたチャンネルだけで発売されていたビデオ版を持っていました。10回以上は観ているので、今更DVD買ってもねと思っていました。が、それは間違いでした。ビデオ版より10分以上長くなっています!!船団上空直援帰還時の夜間飛行や入院中の加藤部隊長の言動など、観た事のないシーンが随所に登場します。パッケージの「昭和19年公開の全長版で初DVD化」とはこういう事だったんですね。ビデオをお持ちの方で、まだDVDをご覧になっていない方、一度ご覧になって下さい。また、音声状態が良くないので、クローズドキャプション方式の字幕も大変有り難い。特にパレンバンに降下した挺身隊員達の台詞等は、DVDで初めて全貌が判りました(ただ、「高度を取って雲の上に出る」は「雲の上に出よ」の間違いでは?←僚機への指示なので)。画質もビデオより良いように思います。「意図の通ずる事多く、部隊長は愉快であるっ!」

○ 一式戦の燕返し(^_^)v
レビュー内容: 一式戦隼の大ファンであります。この映画『加藤隼戦闘隊』でも出てくる一式戦の華麗なる燕返しのモノケロ映像に目が釘付け間違いなし。一式戦というところが抜群です。エンジンナセルに機関銃の銃口二つ。少し盛り上がっているところに、一式戦の魅力が詰まっています。

 レシプロ戦闘機は、近くでは知覧平和記念館で観ることが出来るのですが、小生の産まれる前、60年以上も前に、これを乗りこなし空戦を繰り広げておられた先輩方に畏敬の念をいだきます。

 それにしても、重爆や輸送機もろもろ実機か出てくるだけでもう大感激です。凄いの一言。それに撮影の素晴らしいこと。たいへんなロケが想像されます。映画を越えたものを感じます。

 この物語では、悲観という言葉は相容れない、当時の若者達のひたむきさと優しさ。もう何とも言えない味わいです。コーヒーミルでコーヒーのうんちくをみんなに隊長が談笑されるシーンには、思わず涙です。併せて、水木しげるさんの『ラバウル戦記』も読んで観て欲しいです。

○ 一つのなぞ
レビュー内容: 話の展開といひ、特撮といひ、当時としては見事な映画でせう。特に空中戦の実写映像は他を以て替へられませんね。

それはさうと、映画中で加藤隊長就任(実は再任だけどね)の際に隊員によつて部隊歌(加藤隼戦闘隊の歌)が歌はれるシーンがあります。このシーンは昭和16年4月のことです。この映画の解説でも言及があつて、後に感状を七度受けたと歌はれてゐるのが、この時期ではまだ二度だつたので、歌詞もさうなつてゐるといふ話が出てきます。でもこのときこの加藤部隊に「隼」はまだ配備されてゐないのですよ。配備は16年8月です。映画中でも、加藤隊長就任後数か月を経て最新鋭機「隼」が配備されたといふ話になつてゐます。しかし最初のシーンの部隊歌ですでに「隼は征く、雲の果て」と歌はれてゐます。隼はまだないのに、何ででせうかね。加藤隊長が最初に登場するときも、固定脚の九七戦に乗つてゐるといふのに。







ランク
9位

二百三高地【DVD】

仲代達矢 , あおい輝彦 , 夏目雅子 , 丹波哲郎 , 森繁久弥 ,

レビュー数
7
レビュー平均得点
4.5

○ 丹波哲郎がすばらしい!!
レビュー内容: 児玉源太郎役の丹波哲郎の名演技は迫力があり、すばらしいです
まるで本物の児玉源太郎みたいです

○ 地上波再放送できるかな
レビュー内容: 平成生まれの映画を何回も再放送するよりこういった作品を再放送すべきでしょう(あおい輝彦の一騎打ちシーンが凄惨なのが原因かも)。平成生まれの人に観てもらいたいのは戦争の悲惨さより昭和俳優たちの演技力を判断してほしい点。 注目は新沼謙治で俳優が本業でないからこそあのキャラ設定が生き、まわりの俳優陣にいい相乗効果がでている。脚本家の本骨頂か。 それにしても夏目雅子を超える女優が出てこないのはどういうことなのか。20代半ばで完成された女優、夭折しなければどうなっていたのか、レベルの低い作品に出演しなかったのがよかったのか悩ましい。

○ 日露戦争知るには良い
レビュー内容: 存在意義のある良い作品だと思います。が、あおい輝彦と夏目雅子の色恋沙汰はもう少しライトでも良かったかなとか、防人の詩の歌詞ロールは有り得ないなとか、マイナス面も少なくないです。

○ 本当に戦争を知っている人たちが作った映画
レビュー内容:  近年の薄汚いヒューマニズム戦争映画にはうんざりしていた今日この頃。そろそろ、「自由」「反戦」「平和」が使用され過ぎてまるで死蝋のようである。先日、偶然「二百三高地」の一部を目にする機会があり、その出来の良さに惚れ込み、本編をゲオでレンタルしてしまった。低予算ながら良くできている。人道主義的な哀愁漂う内容は、多分日本人の好みなのだろう。軍歌や演歌も明るい物はあまりないのだから。しかし、その当時の時代背景を正確に模写していることは、素晴らしい。ソース顔のかつての名優達が総力を上げて演じている。伊藤博文、児玉源太郎、乃木希典、明治大帝それぞれそっくりである。秋山好古も少しは出てほしかったかもしれない。

 本日から、NHKは「坂の上の雲」を放送することになっているが、極左活動家によって日本の侵略戦争として描くようにと注文がついたそうだ。敵弾に当たり、銃後のために儚くも散った先人たちの顔に泥を塗るようなことだけは、してはいけないね。

○ 日本版「戦争と平和」
レビュー内容:  国の運命を背負い、政治家として命をかける伊藤。そしてやはり国を背負い友人、私人であることを捨て軍首脳として死力を尽くす児玉(戦争終結8ケ月後に脳溢血で急死)。軍司令としての職責と人としての情の間で苦悩する乃木。司令と部下との間で次第に人から軍人へと変わっていく小賀少尉。運命に逆らえず死んでいく庶民兵の苦しみと意地、したたかさ。そしてそれらを囲む人々の悲しみや憎しみ、愛情。

 この作品は見る時々よって異なるストーリが見えてくる。昔、最初に見たときは単なる残酷で眠い戦争歴史映画。2度目に見たとき乃木への怒り、庶民兵への悲しみ、変わっていく小賀少尉への違和感。3度目に見たときは逆に小賀少尉への共感。そして4度目は望むと望まざると人の上に立つ者、国を背負う者のあり方と苦悩する姿を児玉と乃木そして伊藤に見た。

 そして、それらの人々の中に、理性と感情の戦い、人それぞれに異なる親子の情の姿、個人が個人ではなくなる時、非情の中にある友情が散りばめられている。

 戦果が上がらない乃木にいらだつ国民が乃木の自宅を襲った時、乃木の妻が「好きにさせてあげなさい。こんな家なんかどうなっても構いません」の一言は、武人の妻としての言葉なのかそれとも、息子の死を悲しむことさえできない乃木家への憎しみなのか。

 日本が勝ったはずなのだが、全然、勝った感じがしない。救われるのは生き残った兵士が国で普通の生活に戻った姿と、残された人の悲しみを乗り越えた笑顔、そして平和な山河に溢れる明るい日差しに彩られたエンディングだ。

 戦争というものを単に残酷なものとして扱うだけでなく、また戦争スペクタクルとするでもなく、人にスポットを当て、見れば見るほど一人一人のキャラクターが背負うものを見せる作品だ。

 この戦争をめぐる人の描き方の重厚さは、奇しくも、この映画で人の善性の象徴として登場する「戦争と平和」につながるものを感じる。それにしても良く何度も見たものだ。 








ランク
10位

明日への遺言 特別版 [DVD]

藤田まこと , 富司純子 , ロバート・レッサー , フレッド・マックィーン , リチャード・ニール ,

レビュー数
26
レビュー平均得点
4.0

○ 泣けた。泣けた。不思議な映画
レビュー内容:  この映画は泣ける。そして戦闘シーンは出てこないが、なぜか戦闘シーンのイメージが湧く。すべて会話で話が進む。出てくる人は実はいい人ばかり、なぜ戦わなければならないのか?そしてなぜこのような行動をさせたのか。自分へのけじめとは。人は思い通りには生きられない。そして知を持たなければならない。この映画はそんな気持ちにさせてもらいました。

○ 部下を守り抜いた
レビュー内容: 意外だったのは裁判が結構しっかりしていたこと。判事もほとんど中将の証言をさえぎらない。それから弁護士がかなり本気であの手この手で検察官をてこずらせたこと。

彼にとって何の得も無いでしょうに。自国じゃ非国民あつかいでしょう。

日本が勝ったらああいうことはできたのだろうかと思わずにいられません。検察官の笑顔がよかったですね。勝利の瞬間の無力感に満ちた表情も印象的でした。

藤田さんの声は力強く説得力がありました。もうけっこう弱弱しい感じが漂っているのかもしれないなあと見る前に予想していましたが全体的にそういう雰囲気はありません。

すごい信念の人なんですがそういうのを押し売りするような暑苦しい感じの人ではないという難しい特徴をふまえて演技できる適任者だったのではないでしょうか。

劇中、たぶん兵卒も含まれているでしょう、大浴場で部下たちと一緒に湯船に漬かっていますが果たして戦犯になった将官でああいう風に人が集った方って何人くらいいたのでしょう。

佐官でも怪しいと思いますけど。

最後は部下を全て窮地から拾い上げ、判事の助け舟を拒み、もって己のなした証言すべてを人類への警句と転じた彼の生き方は学ぶには正直立派過ぎて荷が重すぎますが

同時に残された者が崩れないための最期の誇りを残してくれました。有難う。

こういう場合人物像が非常に美化されている危険性がありますが

検事の助命嘆願、部下が一兵卒まで生き残っていること、裁判記録

相当しっかりした証拠の裏付けがありますのでおおむね私は信用することにしました。

ただご本人はこれほど裁判で超然たる覚悟で臨めたのだから

戦中の空気に埋没しないで何かできたんじゃないのかと悩んだのではないでしょうか。

戦争が避けられないとしても裁判で見せたような死を厭わぬ気概で奏上していたら、もっと別のやり方ができたのではないかとふと考えたりはしたと思います。

できなかったからから苦しい、それを他人は責められません。覚悟とは状況にも左右されますから。

そういうことまで考えていただろうなあと第三者に思わせるくらい立派な人格の方だなあと見ていて感じました。


○ 法廷場面中心でやや退屈だが丁寧な作り(蒼井優を観る為のレビュー)
レビュー内容:  蒼井優の出番は裁判の証人役として前半部分に5分間位(計測した訳じゃないので、あくまで感触です) その後30秒飛ばしの機能を使ってジャンプしながら見たが、その他の出演シーンは見つけられなかった。好演してはいたが、優ちゃんだけの目的ならわざわざ観るほどでもない。

 導入部にあたる記録映画的な部分はかなりの訴求力があったが、裁判部分は興味を持続できなかった。軍事法廷に興味があるなら、作りの丁寧さを感じたので一見の価値があるかもしれない。


○ 何となくストレス
レビュー内容: 何となくストレスがたまる作品。

岡田資、賛美一色の作品。

しかし、捕虜斬首は、如何見ても犯罪。

彼らも、命令に従っただけ。

自分は、彼らを許さず、自分の部下の減刑を計るのは、

ダブルスタンダードとしか思えない。

米軍の残虐行為に対する追及も中途半端。



法戦を主題のする割には、杜撰。

何となくストレスの一言。

○ 日本兵はすばらしかったということだ。
レビュー内容: 映画作品としてみました。作品としてみた場合岡田中将の静かな心の内を表現していたのであれば、全体としての雰囲気はよく作られていたと思います。戦勝国による裁判ですから、結局は有罪はハナから確定しているのです。その中で私心を捨てて部下を思い遣り一貫した主張を続けたところに岡田中将の人としての誇の在り方、潔さを感じました。



全編を通して淡淡としていましたので、娯楽としては少し退屈かもしれません。



歴史としてみた場合、冒頭の画像で南京の捏造写真と言われている写真なども見かけたので、史実としては、どこまで正しいものかどうかは分かりませんが、概論としては非常に良いテーマだったかもしれません。いわゆる大東亜戦争に於ける日本の戦犯ですが、とにかくA級戦犯をテーマにしたものが、左右の論戦のテーマになっていて、なかなかB級C級について知る機会が少なかったので、ひとつのきっかけとしてよかったと思います。


posted by はやぶさ じろう at 21:00| 日本映画